ヘルパーとして働いている時。
久しぶりに訪れた利用者さんが、いつもと様子が違います。
体調不良とかではないです。
いつも、ニコニコたくさんいろんなお話をしてくれる方なのですが、そっと目を閉じて、黙っていらっしゃいます。
何かあったのかな?と思いながらも、私はたくさん話しかけました。
話しかけることもあるし、独り言のように話すことも。
訪問ヘルパーなので、1対1で向き合うことができますので様子を見ながら声かけしました。
そんな日が何回かあり、何度目かに伺うと元のニコニコに戻っていました。
ふと「この間、元気がなかったから心配していました。お元気そうで良かったです」と声をかけるとニコニコしながらこう言いました
「私が話したら、皆さんの仕事が遅くなって迷惑をかけるから」
こんなに悲しいことはないです。
すぐみんなと共有し、みんなで話し合いました。
介護職について、今までにないくらい、敏感になったことがあります。
それは、言葉がなくても伝わっているという事実。
対応する介護者の気持ちが「今、ここにあるかないか」それは確実に伝わっています。
介護アロマボランティアに行く時に、セラピストさんに絶対にやっちゃダメ!ということがいくつかあります。
技術的な問題の他に、これだけは絶対にやらないで!と口酸っぱくして言っていることは・・・
利用者さんを置いてけぼりにしないで!ということ
次から次へと利用者様がいらっしゃいます。
準備が整ってからお連れするのが一番なのですが、施設の都合もありますので、準備する間にお待ちいただくこともあります。
そんな時に、必ず「今、準備していますよ」という一言を言ってほしい。
この一言で、利用者さんは安心して待つことができます。
例えば、レストランに行った時、満員の店に入って店員さんが忙しそうにしてこっちに目も向けてくれなかったら「どうしようか」と思いませんか?
一言「すいません、満席なのでこちらで少々お待ちください」と言われれば、安心できる。全く一緒です。
たまに、二人のセラピストが同時に一人の利用者さんをトリートメントすることがあります。
セラピスト同士で話に夢中にならないで!
目をつぶって静かにしていても、二人が自分の方に向き合っていない事は伝わってしまいます。決して、楽しい、心地よい時間ではなくなります。
何人かの友達と集まった時に自分だけが分からない話で盛り上がっていると、ちょっと疎外感を感じませんか?全く同じです。
認知症、発語できないは、普通の意思疎通が測りにくいかもしれないです。
でも、言葉がない分、些細な行動や対応がより伝わる気がします。
特に、言葉による意思の疎通がはかりにくい場合こそ、理解できないと思わず、理解したいという想いを持って接する事を大切にしたいし、私はそんなコミュニケーションがとっても好きです